■2002-12-21 阪神 11R [ ラジオたんぱ杯2歳ステークス ] |
2002/12/26 04:19 |
競馬の予想は不確定要素との戦いとも言えます。ほとんどの場合は、予想の時点で判明しているデータ、例えば過去の成績だとか、調教の内容、あるいはのその馬の血統とか騎手の成績のようなものを確定要素として利用して、各馬の能力を比較して、これから行われるレースの結果を予想するわけですが、レースでは、馬券の発売が締め切られた後に発生する要素もあります。例えばレースのペースであったり、展開、各馬の位置取りや不利を受けたりと。また放馬や故障なんていうのもありますね。これらはある程度予想することができるものもあるかもしれませんが、事前にはその全てを把握することはできない不確定要素と言えます。また、これら以外にも、例えばダートばかり使われていた馬が初の芝を走る場合とか、騎手の乗り替わりや、初斤量、初の長距離輸送、初コースなんてのもある意味不確定要素と言えます。それらを乗り越えたり適性を示せば好材料になる場合もありますし、逆に悪材料になる可能性もあります。まあ新馬戦なんて初ものづくしですから、まさに不確定要素の山と言えます。そして、また先週の競馬のように雨が降ったりして馬場が悪化することも不確定要素となる場合が多くあります。
というのも、基本的には重馬場を走った経験のある馬は少なく、データとして利用できない場合が多く、馬場が悪化することが不確定要素となる馬が多くなるわけです。しかも、馬場状態は良以外は、やや重、重、不良と一応3種類にわかれますが、例えば同じ重でも、その状態は千差万別で、過去に重馬場で好走しているからといって、現在の重馬場が合っているとは言えない様な場合があったり、あるいは枠順が結果に大きく影響を与える場合もありますし、展開が影響する場合も多くあります。ですから、道悪のデータがあったとしても、その信頼度は決して高いとは言えないのも事実です。
もちろんこれらの不確定要素が少なければ、実は予想はしやすいわけですし、多分的中率も高くなるはずです。ただし、これは皆同じ条件ですので当てやすくても儲かるかどうかは別の話になります。逆に言えば、不確定要素が多い場合は、予想自体の難易度が上がるわけで、例えば前述の新馬戦や重馬場のような不確定要素が多いレースは、馬券の購入自体を見送るという人も多いと思います。不確定要素の少ないレースで勝負できるのであれば、これはこれでとても慎重な選択で正しい判断だと思います。
逆に言えば、不確定要素の多いレースは何が起きても不思議ではないといえますので、荒れる可能性も高くなります。もちろん何がおきても不思議ではないので、その中のひとつの結果として固く収まってしまう可能性もありますが。ただ、馬場が悪化したような場合でも専門誌の印は馬場悪化ということが反映された印にはなっていない場合がほとんどですから、それが反映された人気というものが新しく発生した不確定要素をあまり反映したものになっていないことも多く、馬券的にはここにつけいるスキがあるのも事実です。話が長くなってしまいましたが、簡単に言えば、馬場悪化のような突発的な不確定要素の占める割合が大きくなるレースでは、人気馬の不安材料を見つけて積極的に穴を狙う方が良い結果が出る場合が多い、ということです。
このレースでは、ブルーイレヴンが単勝1.4倍という圧倒的な人気。もしこの馬が切れれば、馬券的にはそれだけで成立してしまいます。もちろん過去の実績からもこの人気は納得ですが、この馬自体には重・不良馬場の経験は無く、この人気はやはり良馬場を前提としてものです。まあ他の馬も同様に道悪の実績があるわけではないので、その条件ではフラットですが、道悪前提でこの人気はつけいるスキがありそうです。さすがにこれだけだと材料的には少々足りない感じですが、この馬の種牡馬は有馬記念にも出走するナリタトップロードと同じサッカーボーイで、ナリタトップロードも馬場悪化を嫌う傾向があるので、それも切る材料にはなりそうです。もうひとつ加えれば、馬場が悪化した場合は、前残りになるケースが多く、この馬自体が近走のように後方からの競馬をすれば、それだけでも不安材料になりそう、ということを加えれば、このレースの買い方は決まったといえそうです。
もちろんブルーイレヴンが重馬場を何の苦も無く走ってしまえばあっさりと勝たれてしまいますが、以上のような不安材料と単勝1.4倍というオッズを考えれば、このレースはブルーイレヴンを外して買うべきレースと言えます。もちろんそれで勝負するというレースではなく、あくまで通常よりは金額を下げて穴を狙うというスタンスになります。また、どうしてもブルーイレヴンから買いたい場合も、事前の想定よりは金額を減らすべきですし、その場合のより最善の選択はやはり見送りだと思います。
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