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久根崎氏のレース回顧
2003-11-30 東京 10R [ ジャパンカップ ] 2003/12/04 06:51
 競馬の予想は、過去のデータを参考に将来をある程度推測できるので、各馬のオッズに差が発生し、結果もそれに準じたものになることが多いわけです。この対極にあるのがルーレットでしょうか。基本的にはどの目も出現する確率は同一で、オッズ(配当)も同じです。ルーレットでもし同じ確率なのに違うオッズの目があったなら、誰もがより高い有利なオッズの目に賭けるはずです。

 先週は東西ともに天候が悪く馬場状態もひどい状況でした。競馬の予想は、やはり過去のデータは多ければ多いほど、予測の信頼度を増しますが、それでも1頭の馬につき数戦から精々数十戦程度、しかも距離やコースや、騎手、斤量等、その他の条件もバラバラなデータがほとんどで、データとしては決して十分な量ではありません。さらにこれが先週のように雨が降って馬場が悪化したりすると、各馬の道悪のデータなんて皆無に等しいわけですから、もうデータ無しで予想しているようなものなのです。ですので、これは競馬の予想というよりは、その対極にあるルーレットみたいなランダムな賭けの方に近づいていると考えられます。もちろん完全にはランダムでは無く、近づいているということです。ですので、指数等、データを基にした競馬の予想では、こういう状況のときは賭けは控えめにした方が良いですね。まあどうしてもというのであれば、こういう不確定要素が増しているときは、本命サイドの賭けではなく穴狙いの賭けを選択すべきです。

 さて、今週からは中山・阪神・中京と、全場で開催変わりになりますが、この開催変わりも不確定要素が増す時期と言えます。ほとんどの馬が前走とは違うコースを走ることになりますので、前走の成績をそのまま評価するわけにはいかないという点が不確定要素が増すポイントです。ですが、この不確定要素に関しては、確かに今週出走する多くの馬が該当するかもしれませんが、この開催変わりのパターンは毎年繰り返されているわけで、毎回それを意識して予想していれば、このような開催変わりは不確定要素ではなくなります。特に、東京→中山とか京都→阪神というパターンはこの時期だけでなく他の時期にもあり、もう過去に果てしなく繰り返されてきたパターンですから、本当に予想のツボを心得ている人であれば、むしろ「待ってました」と言いたくなるかもしれませんね。

 「待ってました」と言いたくなってしまうのは、人気の逆を突ける可能性が多く発生し、そこを狙うと美味しい馬券が取れるからです。開催変わりと言えども、やはり前走好走した馬は同条件であれば人気になるのは間違いありませんので、その馬が開催変わりで凡走するパターンを知っていれば軽視することができます。その逆に東京や京都を苦にしていた馬、あるいはそのコース自体の特性で不利な条件を強いられていたような馬は凡走して人気を落としていますので、この開催変わりで狙えるわけです。そして「待ってました」と言えるのは、これら有利・不利のパターンの引き出しを数多く持っている人ということです。このような予想方法をしている方も多いと思いますが、これは間違いなく期待値の考え方に沿ったものなので、馬券的にはとても美味しい予想方法なのです。ただし、これはそのパターンにハマる馬が見つかるまで待つという「待ち」の予想方法だということは常に意識して下さい。期待値的な馬券の買い方なので的中したときの成果が大きくなる場合が多いので、ついつい調子に乗ってしまい、パターンに無理やり当てはめて買ってしまうことも多いので、そういうことの無いよう、常に待ちの予想だということを心がけてください。
2003-11-22 京都 9R [ もちの木賞 ] 2003/11/27 13:41
 3連複で90万円オーバーという先週一番の高配当だったこのレースですが、皆さんはどうだったでしょうか。1番人気のウインリゲルは、鞍上ブフも、指数的には2〜3番手で、それでいて単勝1倍台というのはいかにも手が出しにくいところです。ZI、芝ダ距離別値がトップのパレスエースですが、こちらは鞍上が京都に実績の無い田嶋騎手でしたし、直前値は3位と軸にするにはひと息です。直前値1位、芝ダ距離別値2位のケージーアジュデは、ZIは4番手ながらも、5番人気と期待値的には一番高そうです。1戦1勝馬ですので、まだまだ能力的な上積みも期待できそうですし、京都のダートは小回りですから、どの距離も先行馬であれば内枠は良く、この馬を選択した人も多かったのではないかと思います。

 問題は2着に入ったテンザンダンディーですが、この馬は初のダート戦ということでダートの指数はありません。まあここで血統の話をしてもしょうがありませんが、父のGone Westはミスプロ系ですので、ダートは悪いはずもなく、しかも距離も短い方が良いということはご存知だった方も多いと思います。新聞等で調教が確認できるのであれば、やや遅れたもののタイム的にはむしろ悪くなく、ダート戦でも期待できそうです。もし調教を確認できないような場合は、少々邪道な方法ですが、こういう初ダートの馬の場合は新馬戦等の初戦での人気を確認するという方法もあります。特に有名な良血といことでなければ、新馬戦で人気になっている馬は調教で走っている可能性が高いので、下級クラスであればダート変わりは期待しても良いと思います。もちろん新馬戦で人気になるような馬ですから、デビュー前の厩舎のコメントも良いはずですので、素質等で期待されていた馬である可能性が高いこともわかります。こういう馬は、このダート変わりだけでなく、何か大きく条件が変るときは好走する可能性は常にあります。もちろん毎回そういう馬を全て買っていたら財布が持ちませんが、今回は12番人気と単勝で90倍台まで人気を落としていましたので、期待値的にはお買い得だったのは間違いありません。

 私もここまでは買えましたが、さすがにカミノヤマボーイまでは狙えませんでした。直前に上山競馬の話題もありましたので、確かに目は止まりましたが、指数の無い馬でもありますし、他にも狙える馬がいましたので、とても手がまわりません。まあこの馬も2戦目ですから上積みも考えられますし、結果的には追い込んで来ましたが、最内枠ですから買える材料が皆無だったわけではないのがむしろ悔やまれます。
2003-11-16 京都 11R [ エリザベス女王杯 ] 2003/11/20 07:50
 このレースに関しては、アドマイヤグルーヴもスティルインラブもどちらも強かったという印象です。スティルインラブは1番人気でしたし、やはり3冠馬を自負したいという気持ちや、それから前走でも早めの仕掛けで押し切っていますので、それなりの自信もあったと思いますので、外目からの早めの競馬をしての粘り込みを試みて、最後はハナ差の敗戦という結果です。最後は差し返していましたし、正に負けてなお強しという競馬でした。

 また、アドマイヤグルーヴも前走の敗戦からもっと大胆に内を付く作戦を取るのかと思っていましたが、むしろこちらも前走の借りを返すと言わんばかりのある意味正攻法のマーク戦法から差しきる競馬をしての勝利ですから、実力はほぼ同程度と見てもいいと思います。ただ、先週書きましたように、今回の人気の逆転がやはり戦法や結果に微妙に影響を与えたという印象はありますので、今後もこの2頭が一緒に走るときはその人気の関係にも注目したいところです。もちろんエリザベス女王杯は来年も出走できますので、スティルインラブには来年もぜひ4冠を目指して欲しいところです。もちろんアドマイヤグルーヴには連覇を。そして、その時も多分この2頭は好勝負を繰り広げてくるだろうことを期待したいです。

 ただ、それでも牝馬は牡馬相手では、やはり中距離以上では勝ち負けすることさえも難しく、ハンデ戦でやっと穴を開けるくらいです。しかしG1馬はG3程度のハンデ戦に出ることは難しいですし、この2頭の好勝負を見ようと思ったら、やはり牝馬限定のレースになってしまいます。ただ、牝馬は牡馬と比べると繁殖に上がる馬が多いという事実と、繁殖が春に行なわれることを前提とすると、多くの牝馬が引退してしまう春の時期には牝馬限定のオープンクラスのレースを行なうことが難しいのも事実で、結果的に牝馬のG1が秋にしか行なわれず、このような好ライバル関係の戦いもあまり見られなくなってしまうのが少し残念です。できれば出走頭数が少なくなってしまっても、やはり春にも牝馬のG1を行なって欲しいという気もします。

 ですが、本日のスポーツ紙によると、どうやら来年からは現在の愛知杯とカブトヤマ記念の2つの内国産限定のレースが新たに牝馬限定のレースとして生まれ変わることが決まったようで、今後も牝馬路線が整備されてくれば、春の牝馬G1レースの誕生も近いかもしれません。

 話は全く変って指数の方になりますが、最近はかなり好調です。先週土曜日の福島最終の赤湯特別ではZI値1位と2位で馬単2910円、しかも3着も芝短1位の降級馬が来て3連複は9950円とどこからでも入れそうな結果でした。他にも、土曜日では京都の黄菊賞や衣笠特別といったところが馬単1900円、4480円を指数のワンツーで決めています。また、理由は不明ですが、最近のひとつの傾向として、日曜日も京都の最終の山科特別がワンツーで決まったように、京都の最終レースがかなり狙い目になっています。理由のひとつとしては、指数自体の特徴として、500万下や1000万下の方が対戦相手の関係からより信頼度が高くなる傾向があることが挙げられると思います。また全体的には、秋開催も進んできて休み明けの馬が減ってきたり、あるいは3歳馬の成長分も指数に反映されだしていますので、指数の信頼度が上がってきているのだと思います。今週は2場開催ですから、この機を生かしてじっくりと攻めてみて下さい。
2003-11-09 東京 11R [ アルゼンチン共和国杯 ] 2003/11/13 07:36
 先日、「競馬最強の法則DIGITAL」という本が発売になりました。コンピュータを利用した競馬予想という観点から、様々な方が予想方法やコンピュータの有効的使い方を載せていますが、私も、こちらでもよく登場している「合成オッズ」について、解説しましたので、興味のある方はご覧下さい。以前こちらに書いた内容と少々被っている部分もありますが、具体的なレースでの例や図等を使って解説していますので、よりわかりやすいかと思います。

 合成オッズに関してももちろんですが、今後3連単が始まったら買い目もさらに複雑になりますし、オッズの量も最早人間の目で全てを確認するのは不可能な程になります。特にオッズは、提供時間も限られていますし、開催当日のレースの間隔も決して長くはありませんので、その間でより有効な方法を的確に繰り出すためにはやはりコンピュータの力を借りる必要が出てきますね。もちろん、そんな流れを断ち切って、これまで通り単勝なり馬連で買い続けるのも手ですが、買い目の代用等の効用を考えると、やはり使える手段は使わない方が損ですし、戦っているのは同じレースで馬券を買っている他人ということを考えれば、やはり相手よりも一歩でも二歩でも先に出て戦った方が有利なのは当然ですからね。

 さて今週からまたG1レースが続きますが、まずは最初のエリザベス女王杯。今年は、秋華賞から多数参戦してきます。しかも、上位馬ばかりですし、人気的にも上位になることは間違い無さそうです。このレースの私なりの予想のポイントは2つあります。ひとつは、秋華賞が同じ京都と言えども、内回りコースで、今回は外回りになることです。例年であれば、この違いは大きく、秋華賞は小回り平坦コースなので、早仕掛けやハイペースになりやすい秋華賞に対して、外回りコースのエリザベス女王杯では、スローで上がりだけの勝負になりやすく、両レースで求められる能力にかなりの違いがありました。このコース変りは基本的にはサンデー産駒に有利に働きますので、上位2頭にはプラスになる可能性が高いです。ですが、今年は前走で大逃げをしたスマイルトゥモローがいますので、例年通りに行くかどうかはわかりません。もちろん1頭だけ大逃げで、後続はスローというパターンも、まさに先週書いた通りにあるかもしれませんが、人気になればやはり早めの仕掛けを余儀なくされますので、純然たるスローというわけにも行かず、折角のメリットが生かされません。ですので、それ相応の力の差が無いと、勝ちきるのは少しつらいかもしれません。

 もうひとつの予想のポイントは、今回は多分、スティルインラブの方が人気になるということです。これまでの3冠レースでは、常にライバルのアドマイヤグルーヴが1番人気でしたが、今回は多分スティルインラブの方が人気になるでしょう。人気は水物なので、まだ確定的なことは言えませんが、多分1番人気になる可能性が高く、そうなれば、この馬にとっても、また幸騎手にとってもG1レースでの初の1番人気になります。もしそうなると、やはりこれまでとは少々心理状態も変ってくる可能性があります。基本的にはプレッシャーになるだけですので、良いことは余りありません。3冠を制していますが、全て2番人気と人気のプレッシャーはやや緩和されていたわけでして、今回は相手との戦いだけでなく、己のプレッシャーとの戦いにもなる可能性が高そうです。この馬と騎手が、その壁を乗り越えて勝つことができれば、何も恥ずことの無い正真正銘の4冠馬&4冠ジョッキーと言える存在になると思います。
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