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久根崎氏のレース回顧
2003-11-02 東京 11R [ 天皇賞(秋) ] 2003/11/06 06:18
 以前にも同様の話を書きましたが、今回は天皇賞が良いサンプルになりましたので、再度ペースの話を少し。天皇賞はローエングリンとゴーステディの競り合いから、1000m通過が56.9というかなり速いペースになりました。しかし、勝ったシンボリクリスエスの上がりタイムは33.6秒、2着のツルマルボーイの上がりは33.1秒と、スローペースでの上がりタイムを思わせる数字です。

 現在の競馬の予想や結果の評価にはこのペースという言葉、あるいはそれの元になるラップタイムという言葉がよくつかわれていますが、このラップタイムとは、そのレースで先頭を走っていた馬の200mごとの通過タイムになります。そのタイムには2番手やそれ以降の馬の通過タイムを表す指標は全く含まれていませんので、このラップタイムやペースというのは、単純に逃げた馬の指標ということになります。

 近年ではスローからの上がりの競馬が多いために、レースの馬群、とくに先頭集団は勝負どころで団子状態になることが多く、先頭の馬のタイムは全体の指標と深く関係していると言っても良いので、このラップタイムやペースという指標がそれなりに意味を持っていると言っても問題ないわけです。ですが、この天皇賞のように、3番手の馬が大きく離されてしまっている場合には、このラップタイムやペースの意味がほとんど無くなります。

 下の表は、この天皇賞での各馬のコール前3ハロン(1400m通過点)までの3ハロン平均タイムの順の表で、そのタイムと上がり3ハロンのタイムが併記されています。つまり、1400m位置の前後でのタイムの差を比較することが出来ます。大逃げをしていた上位2頭は当然ながら34秒台で走っていたものが、上がりでは大きく失速しているのが分かると思います。3番手のトーセンダンディは、前後半がほぼ同じの平均ペースで走ったと言えますが、それ以降の馬は、上がり3ハロンの方がかなり速く、大きく加速しているわけですが、むしろスローペースで上がりの競馬をしたと言えます。

 ですが、4角あたりではるか先に馬がいれば、やはり騎手の心理としては仕掛けどころはいつもよりは早めになる可能性が高いので、通常のスローペースのレースよりは厳しい流れになる可能性はもちろんあります。ただ、どちらにしても、ラップタイム自体がレースの流れを正確に表しているとはとても言えません。このラップタイムやペースを理論の根拠にした予想法もかなりあるようですが、ラップタイムという指標自体がこのようにかなり曖昧なものですから、それに頼りすぎるのはどうかと思います。もちろんJRAが全馬の個々のラップタイムを公開してくれれば、そのデータの価値は大きいとは思います。究極的には、各馬にGPSでも載せて、ラップタイムはもちろん、正確な走破距離、そして走破した軌跡も再現できるようになれば完全なデータになりますね。ちょっと処理が大変そうですが…。

 その下の表は、この天皇賞と同様に、ラップタイムやペースの指標があてにならないレースになった今年の府中牝馬Sの同様の表です。こちらも逃げ馬以外は上がりの競馬になったと言っても良いでしょう。


◆天皇賞
-----------------------------------------
着 馬名        走破タイム 3Fまで 上り3F
-----------------------------------------
13 ローエングリン    1.59.7  34.67  38.8
18 ゴーステディ     2.02.7  34.93  41.2
12 トーセンダンディ   1.59.2  35.79  35.7
5 カンファーベスト   1.58.6  36.00  34.6
4 エイシンプレストン  1.58.5  36.04  34.4
3 テンザンセイザ    1.58.4  36.09  34.2
6 サンライズペガサス 1.58.7  36.13  34.4
14 トーホウシデン    1.59.8  36.17  35.4
1 シンボリクリスエス  1.58.0  36.17  33.6
9 イーグルカフェ    1.59.0  36.21  34.5
15 トレジャー       2.00.1  36.26  35.5
11 ヤマノブリザード   1.59.1  36.26  34.5
16 モノポライザー   2.00.1  36.26  35.5
17 アグネスデジタル  2.00.4  36.26  35.8
7 ファストタテヤマ   1.58.8  36.26  34.2
10 ダービーレグノ    1.59.1  36.34  34.3
8 ロサード        1.59.0  36.39  34.1
2 ツルマルボーイ    1.58.2  36.47  33.1
-----------------------------------------

◆府中牝馬S
-----------------------------------------
着 馬名        走破タイム 3Fまで 上り3F
-----------------------------------------
3 スマイルトゥモロー  1.46.9  34.24  38.4
5 シルクサンライズ   1.47.2  36.20  34.8
14 ミツワトップレディ  1.47.8  36.20  35.4
4 オースミコスモ     1.47.0  36.30  34.4
11 ショコット       1.47.6  36.30  35.0
9 ノブレスオブリッジ  1.47.4  36.30  34.8
1 レディパステル    1.46.6  36.40  33.8
7 トーワトレジャー   1.47.3  36.45  34.4
6 ウィルビーゼア    1.47.3  36.45  34.4
13 マイダイナマイト   1.47.8  36.50  34.8
12 テンエイウイング   1.47.6  36.50  34.6
2 ローズバド       1.46.8  36.55  33.7
8 フューチャサンデー  1.47.4  36.60  34.2
10 ニシノハナグルマ  1.47.4  36.65  34.1
-----------------------------------------
2003-10-25 東京 11R [ 富士ステークス ] 2003/10/30 08:14
 下の表は、今年からリニューアルされた東京コースの脚質の分布で、先週までの集計結果及び、以前の東京コースでの3年分の集計結果との比較です。

------------------------------------------------
連対脚質度数 逃げ-先行-差し-追込 (逃率/逃・先行率)
------------------------------------------------
旧東京・芝   163-488-494-103    ( 13.0% / 52.0% )
新東京・芝     19-113-104- 37    ( 7.0% / 48.4% )
------------------------------------------------
旧東京・ダート 214-680-440-136    ( 14.6% / 60.8% )
新東京・ダート  38-104- 70- 15    ( 16.7% / 62.6% )
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 こちらには以前から書いていましが、やはり芝コースはかなり逃げ馬にとってつらいコースに変っているのがデータでも確認できます。「先行」も率が低下していますが、「逃げ」ほど極端に比率が下がっているわけではありません。直線が延びたことが原因と推定されそうですが、同じく直線が延びているダートコースでは、逆に以前よりは若干ですが「逃げ」が有利になっています。同時に「先行」も増えています。

 新しい東京コースでは、「逃げ」が不利になっているという情報は、一部ではもう知れ渡っているデータですし、今後もさらに広まると思いますが、逆にダートの先行有利の情報はまだまだ知れ渡っていません。積極的に利用するのであればこちらの情報だと思います。しかも、芝コースで「逃げ」が不利という情報がもっと一般的に知れ渡った場合、そのイメージや直線が延びたという印象が強いと、その情報だけからは、同時にダートコースでも逃げ馬が不利という間違った印象を持たせる可能性がありますので、ダートでは逃げ・先行有利という情報はより有効に機能する可能性があります。ただ、新東京コースのデータ量はまだまだ十分とは言えませんので、その辺りは十分認識してご利用ください。もちろん今後も機会があればこちらでデータを公開していきます。

 最後に、新・旧それぞれのコース別の逃げ馬の成績データを紹介します。連対率順に並んでいますが、新東京では、上位をほとんどダートが占めていることがわかると思います。

◆旧東京・コース別逃げ馬の成績(連対率順)
集計期間:000129 〜 020609
-----------------------------------------------------------
順位 コース  着別度数      勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
-----------------------------------------------------------
 1 ダ1200  44- 36- 18-144/242 18.2% 33.1% 40.5%  209  140
 2 芝1400  30- 18- 10- 97/155 19.4% 31.0% 37.4%  178  130
 3 ダ1400  34- 23- 18-113/188 18.1% 30.3% 39.9%  131   91
 4 芝2300   5- 2- 5- 12/ 24 20.8% 29.2% 50.0%  491  168
 5 芝2000  10- 13- 7- 51/ 81 12.3% 28.4% 37.0%   99  178
 6 ダ1600  33- 30- 21-166/250 13.2% 25.2% 33.6%  104  120
 7 芝1600  28- 11- 17-112/168 16.7% 23.2% 33.3%  211  121
 8 ダ2100   6- 8- 4- 44/ 62  9.7% 22.6% 29.0%  51   70
 9 芝2400   7- 3- 2- 33/ 45 15.6% 22.2% 26.7%  299   96
10 芝1800  21- 15- 15-113/164 12.8% 22.0% 31.1%  109  100
11 芝2200   0- 0- 2- 7/  9  0.0% 0.0% 22.2%    0  230
12 芝2500   0- 0- 2- 7/  9  0.0% 0.0% 22.2%    0  187
13 芝3200   0- 0- 0- 3/  3  0.0% 0.0%  0.0%    0   0
-----------------------------------------------------------

◆新東京・コース別逃げ馬の成績(連対率順)
---------------------------------------------------------
順位 コース  着別度数    勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
---------------------------------------------------------
 1 ダ2100  3- 1- 2- 4/10 30.0% 40.0% 60.0%  368  225
 2 ダ1300  6- 2- 2-12/22 27.3% 36.4% 45.5%  304  129
 3 芝2400  3- 1- 1- 6/11 27.3% 36.4% 45.5% 1109  315
 4 ダ1400  6- 7- 5-20/38 15.8% 34.2% 47.4%  108  127
 5 ダ1600  8- 5- 3-28/44 18.2% 29.5% 36.4%  188  179
 6 芝1400  2- 4- 3-21/30  6.7% 20.0% 30.0%  61  71
 7 芝1800  0- 4- 5-24/33  0.0% 12.1% 27.3%   0  253
 8 芝1600  3- 0- 4-30/37  8.1%  8.1% 18.9%  78  77
 9 芝2000  0- 2- 4-20/26  0.0%  7.7% 23.1%   0  45
10 芝2300  0- 0- 0- 6/ 6  0.0%  0.0%  0.0%   0   0
11 芝2500  0- 0- 0- 1/ 1  0.0%  0.0%  0.0%   0   0
---------------------------------------------------------
2003-10-19 京都 11R [ 秋華賞 ] 2003/10/23 06:10
 秋華賞ではスティルインラブが勝利し、見事に3冠達成しました。ライバルのアドマイヤグルーヴが毎回1番人気でしたので3冠全てで2番人気だったためか、それほど強いという印象を受けていないという人もいるかもしれませんが、3冠全て違う条件で、レースの流れも様々、それを毎回正攻法で捻じ伏せて勝ってきていますので、着差は大きくなくても間違いなく実力を証明しています。特に今回の秋華賞はサンデーサイレンス産駒が苦手としているレースで、そこでの勝利ですから、世代内だけでなく、牝馬の中でもトップクラスという評価もできると思います。次走でエリザベス女王杯に出走するのであれば、このまま4冠目も夢ではないと思います。

 もちろん、それに差のない競馬をしているアドマイヤグルーヴも同程度の評価ができます。それだけでなく、唯一人気が逆転したローズSでは内をついて楽勝しているように、スティルインラブとの人気が逆転すれば、より気楽に乗れることで逆転の可能性もあると思います。特に次走予定のエリザベス女王杯ではサンデーサイレンス産駒が得意な京都の外回りコースに替わりますので、レース運びの上手さや器用さというスティルインラブのアドバンテージは少なくなりますから、よりきわどい戦いになると思います。2頭がともにエリザベス女王杯に出てくれば、古馬牝馬路線は一気に世代交代という場面もありそうです。

 今週の菊花賞でもネオユニヴァースが3冠をかけて出走してきますが、こちらは春の2冠はともに1番人気で勝ってきていますし、鞍上もデムーロということで、強敵はいますが、3冠の可能性は高そうな印象も受けます。ですが、むしろネオユニヴァースは春の2冠は鞍上のコース取りの上手さで勝利した分も大きく、しかも運も味方しているという印象もありました。2戦とも4角で内をついて勝っていますので、1番人気の騎乗としては度胸がいるものでした。もちろん今回もデムーロが騎乗しますので、騎手の評価分はそのまま持ち越されてプラスマイナスは無いわけですが、菊花賞ではコース取りで差がつくことはありませんので、今回は真の実力が問われることになります。ダブル3冠ということも加えて人気になるようであれば、期待値はかなり低くなるのではないかと思います。
2003-10-12 東京 11R [ 毎日王冠 ] 2003/10/16 05:46
 やはり現在の東京コースは以前の東京とはかなり違ってきているようです。下の表は、この時期の東京開催の芝コースの脚質別の成績で、上が一昨年までの5年間の全データで、下は先週の2日分のデータです。成績・回収値ともに逃げ馬の成績のひどさが伺えると思います。また、それだけでなく、先行馬の成績も極端に悪いと言ってもいいくらいです。どんな競馬場でも先行有利は現代競馬では常識とも言えますが、この競馬場にはその常識が通用しないのかもしれません。これまでにはないかなり異質な感じがします。

 連対した逃げ馬が1頭だけ、しかも新馬戦で力の違いで後続を1秒ちぎって逃げ切ったものですから、脚質はあまり関係無かったと言えますので、実質逃げ切った馬は皆無と言っても過言ではありません。他には1600万下のアイルランドトロフィーでマイティスピードが3着に逃げ粘っていますが、それ以外は掲示板にも載っておらず、逃げ馬は壊滅状態です。ですが、他の馬はほとんどが人気薄馬でしたので、まだまだ断言してしまうにはデータが不足しています。この逃げ馬不利の状態について、競馬新聞や各メディアで取り上げられ、今週の開催で逃げ馬が極端に人気を落とすようであれば、このデータ不足というポイントを逆手にとって責める手は期待値的にはあるかもしれません(下の表は単なる偏りということで、上の表を信じるということです)。ただ、有力馬も多かった先行馬の成績も悪いことを考えると、やはり何等かの原因は存在していると思われますので、慎重に行くのであれば、今週も逃げ馬は軽視の方が良いと思います。

◆脚質別集計
集計期間:971004 〜 011028
---------------------------------------------------------------
脚質   着別度数         勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
---------------------------------------------------------------
逃げ   47-  27- 23- 158/ 255 18.4% 29.0% 38.0%  170  114
先行  101- 101- 109- 533/ 844 12.0% 23.9% 36.8%  85  90
中団   76-  81-  75- 726/ 958  7.9% 16.4% 24.2%  72  69
後方   21-  37-  37- 697/ 792  2.7% 7.3% 12.0%  27  34
マクリ   3-   0-   4-  13/  20 15.0% 15.0% 35.0%  102  64
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集計期間:031011 〜 031012
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脚質   着別度数     勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
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逃げ   1- 0- 1- 12/ 14  7.1% 7.1% 14.3%  10  22
先行   3- 4- 5- 35/ 47  6.4% 14.9% 25.5%  64  70
中団   5- 8- 5- 51/ 69  7.2% 18.8% 26.1%  36  63
後方   3- 1- 2- 56/ 62  4.8% 6.5% 9.7%  62  63
マクリ  1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0%  60  50
----------------------------------------------------------

 それから、先週ここで、毎年この開催は頭数が少なくなると書きましたが、今年から秋の福島の連続開催のひとつが春に移動してこの時期が2場開催となったためだと思いますが、頭数が減ることはありませんでした。ただ、例年と違って次の福島開催から3歳未勝利戦が完全に無くなり、その分古馬の500万下のレースが大量に組まれていますので、再来週あたりからは下級条件では頭数にかなり影響が出るかもしれません。

 もちろんこの変更による頭数の増大が好走する脚質を変化させているとも考えられますが、それにしても通常の東京よりもひどい状態で、これまでの東京と思って予想するのは避けた方がいいかもしれません。ただ、まだまだデータ的には十分とは言えませんので、少なくともあと2週間はじっくりと様子を見て、天皇賞にはなんとか生かしたいものです。
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