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パフォーマンス偏差値とは


 
競馬で賭けが成立する仕組み

 そもそもすべての賭け事は、結果がどうなるかわからないからこそ成立している。
 当たり前の話だが、競馬にあてはめて考えてみても、やはり賭けを成立させるために、結果がどうなるか簡単にはわからないようにする仕組みがちゃんとあることに気づくだろう。
 なるべく実力が拮抗したメンバーでレースが行なわれ、レース条件を変えて出走メンバーの実力判断が難しくなるよう、JRAによって巧妙に設計されているのだ。毎年行なわれている細かなレース条件の見直しにも、このポリシーは貫かれている。

1.限定戦、ハンデ、クラス分けがある。
牝馬や馬齢による限定戦、斤量ハンデのほか、未勝利、500万下、1000万下、1600万下、オープンのクラス分けがあり、なるべく力が拮抗したメンバーで競馬をする仕組みになっている。

2.レースごとにメンバーが変わる。
 いつも同じ出走メンバーで競馬をするなら、ギャンブルとして成立しづらいはずだ。
 レースごとに出走メンバーが異なるため、出走馬の実力が変わり、騎手の駆け引きに影響を与え、レースのペースや展開が変わり、結果を予想するのが難しくなるのだ。

3.レースごとにコースが変わる。
 JRAの競馬場は、直線が長くて広い、急坂がある、小回りで平坦など、競馬場ごとにコースの形状がまったく異なっている。
 一般に、直線が長いコースは上がりの脚がある馬、小回りコースはバテずに長く脚が使える馬に向いているといわれるように、競走馬はレースごとにコースと脚質の相性によって、能力を生かすことができたりできなかったりということを繰り返しているのだ。さらに、競走馬の脚質を前提にした騎手のレース戦略がその傾向を助長している。

4.レースごとに枠順・馬番が変わる。
 新潟の直線コースでさえラチ沿いを走ることができる外枠が有利であるように、どのようなコースにも枠順の有利不利が存在するのは事実であり、そのため枠順は抽選で決定されている。
 競走馬は、レースのたびに有利な枠順や不利な枠順に入ることを繰り返している。

5.レースごとに馬場状態が変わる。
 馬場状態は、季節、気候、天候によって大きく変化し、同開催が進むにつれても変わるため、常に変化しているともいえるだろう。また芝コースは、ローラーがけや散水、仮柵を設置し使用コースが替わることでも、馬場状態が変わる。

6.レースごとに競走馬の状態が変わる。
 競走馬は賢い動物。精神面、肉体面の状態は一定ではない。これについては、調教情報、パドックの状態、馬体重の変動などを考慮して判断するほかない。

 以上、「なるべく実力差のないメンバーを集め、毎回各馬の有利不利が変わるレース条件のもとで競い合う」というのが、競馬の本質であることが、お分かりいただけただろう。

なぜ競走馬の能力偏差値か!?

 競馬予想においては、別路線のA馬とB馬はどちらが強いのかと、出馬表をいくら睨んでも明確な答えは得られない。
 コースも違えばペースも違う2つのレースのタイムを単純に比較することは意味のないことであり、また仮に、2頭とも過去に対戦したことがあるC馬がいたとしても、レースはそれぞれまったく異なる条件下で行なわれており、C馬が毎レース同じ状態、同じ力で走ったとは考えにくい。
 最終的には、何らかの理由を見つけて個人の主観で、出走馬の能力の順位付けをしているのが実情だろう。このときに、各出走馬に何らかの能力指数が付いていれば、それをそのまま鵜呑みにしてしまうのも仕方がないかもしれない。
 タイム指数やレイティング、マイニングなどの既存の能力指数は、たいてい走破タイムや走破速度、レースラップ、着順、騎手といったファクターを基にして、馬場状態などの補正を行って算出されている。
 いわば、陸上競技と同じような絶対評価をしているのである。

 しかし、陸上競技はコースの違いが極力出ないように設計されているのに対し、すでに述べたように、競馬場のコースはなるべく差異が出るように造られており、レースはそれぞれあまりにも異なる条件下で行なわれている。

 ・それぞれ起伏と形状がまったく異なるコースで行なわれたレースのタイムを、単純に比較することに意味があるのか。
 ・それぞれ出走メンバーが異なるレースのタイムやラップを、比較することに意味があるのか。
 ・別の日に行なわれたレースの馬場状態の違いを、正確に補正することは可能なのか。
 ・別の騎手に乗り替わったら、その騎手の勝率通りに馬の能力に差が出るのか。
 ・そして何より、別のレースで発揮した力を条件の異なる今回のレースでもそのまま発揮できると考えること自体、無理があるのではないか。
 
 競馬はタイム競走ではなく、着順を競うものであるため、同じ形状のコースにする必要がない。競走馬どうしの正確な力の比較は、やはり同じコースを走った馬どうしで行なうべきであり、最終的には同じレースのなかでしか行なうことができないと考えるのが妥当なのだ。別のレースに出走した馬どうしを絶対評価して無理やり比較しようとすると、どうしても歪みが生じるのだろう。そもそも馬の実力が拮抗するように設計されているのだから、能力値は目安程度に見るのが正しいのだ。
 別のレースを使った出走馬の力の優劣を検討するという発想だけでは、人気にとらわれて間違った馬券を買い続けるしかないだろう。
 競馬は、相対評価しか成立しない世界であることを忘れてはならない。


 そして、その相対評価の典型的な評価法として広く普及しているのが、偏差値である。完全に客観的な評価法であり、パラメーターのさじ加減や補正値が入り込む余地は一切ない。
 全体の平均値が50になり、上回っていれば優秀、下回っていれば劣っていることがはっきりと示される。例えば、予備校が発表している大学偏差値ランキングで、文系の最高値である東京大学文科一類が偏差値74といった具合だ。

 偏差値は、全国模擬試験のように対象の数が多くなるほど正確な分布になるという特徴を持つ。
 「パフォーマンス偏差値」では、過去5年に同コース(例えば、中山2500m内回りコース)で走ったすべての馬を対象に、スタートから残り3Fまでのタイムと上がり3Fタイムの偏差値を算出する。同じレースに出走したメンバーだけで比較するのではない。同じコースを走った全出走馬のパフォーマンスを対象に、偏差値を算出するのだ。

 馬場の違いはあえて補正しない。レースはそれぞれラップも異なるため、そもそもレース毎の馬場の違いを正確に補正することは不可能だろう。
 競走馬は、そのレース条件でこそそのパフォーマンスを発揮したのであり、異なるレースで“たられば”を考えてパフォーマンスを補正し絶対評価することは行なわない。競走馬が走ったパフォーマンスを主観的に補正せず、客観的に偏差値評価していることに意味があるのだ。

 そして、さらに別の理由がある。
 パフォーマンス値は、その馬が過去にどれだけのパフォーマンスを発揮したことがあるか、そしてレースのレベルを知るための、参考値だということ。先述のように、競馬はそもそもあまり実力差のない馬たちが競い合うように設計されているのだから、能力値のような指数は、目安程度に見るべきなのだ。
 「パフォーマンス偏差値」の肝は、パフォーマンスの優劣を見るだけではなく、競走馬のレース適性タイプを知るための指数になっていることにある。

馬の脚質(戦法)とコース特性の相性

 競馬では、各出走馬の力が大差ないように設計されているなら、見るべきなのは、レースごとに変わる条件と、そのレースに対する馬の適性である。
 わかりやすい例を挙げてみよう。
 最強馬の呼び声が高いディープインパクトの国内唯一の敗戦は、2005年の有馬記念。
 2000年以降の過去10年の有馬記念を見ると、馬券に絡んだ30頭のうち実に19頭(約63%)が逃げ・先行馬である。先行馬有利といわれる中山2500m内回りコースの特性が、データからも裏付けられる。
 飛行するとまで形容された差し脚を持つディープインパクトにとって、この有馬記念は、「もし負けることがあるとすればココしかない」というレースだったのかもしれない。
 有馬記念と対照的なレースが、天皇賞秋だ。2000年以降の過去10年の天皇賞秋では、3着以内の27頭(2002年は中山競馬場で開催)のうち逃げ・先行馬は10頭に過ぎず、差しが15頭、追込みが2頭である。

 馬の脚質とは、言い換えれば、馬の特徴を理解した騎手のレースに対する戦略であるといえる。戦略が合致せず不利な戦いを強いられると、最強馬ですら足をすくわれることがあるのだ。
 また、騎手も武豊である。馬の脚質とコース特性の一致・不一致は、一流のリーディング騎手がわかっていながら覆せないほどの大きな影響を持つものなのだ。

 極端な例としてディープインパクトを挙げたが、同時代に1頭か2頭しかいないような強い馬は、むしろ例外的な存在と考えるべきである。
 500万下、1000万下といった条件戦に限らず、ほぼすべての馬は、実際は今回のレースにどれだけ適性があったか、あるいは無かったかで、着順が入れ替わっているのだ。

 先に挙げた「別のレースで発揮した力を条件の違う今回のレースでもそのまま発揮できると考えること自体、無理があるのではないか」という問いについて、もはや疑う余地はないだろう。

出走馬のレース適性を判断する

 しつこいようだが、競馬の本質を思い出してもらいたい。
 賭け事として成立させるために、「なるべく実力差のないメンバーを集め、毎回各馬の有利不利が変わるレース条件のもとで競い合う」のが競馬である。
 馬の実力がたいして変わらないなら、次のように発想を転換すればいい。

・出走するごとに変わるレース条件のなかで、今回もっとも適性が一致した(有利な条件に恵まれた)馬が勝つ。
・惨敗した馬でも、レース適性がなかっただけで、最適な条件のレースに出走すれば馬券に絡む可能性は十分にある。

 ここでいう、出走するごとに変わるレース条件とは、コース、枠順、クラスのことである。そして当然ながら、クラスは変わる場合と変わらない場合がある。

 「パフォーマンス偏差値」では、過去5年に同コースを走った全出走馬のパフォーマンスを対象に、スタートから残り3Fまでの偏差値と上がり3Fの偏差値を算出する。これが、馬のタイプを表す「馬のパフォーマンス値」である。
 そして、今回のレースと同じコース・クラスの勝ち馬の偏差値平均から算出するのが、今回レースのタイプを表す「勝利基準パフォーマンス値」である。


 どちらも、「103.8(51.5先52.3)」といった形をしており、(カッコ)の中は、スタートから残り3Fまでの偏差値、脚質、上がり3Fの偏差値を表し、(カッコ)の前の数値は、この2つの値の合計になっている。

 もうおわかりのように、今回のレースのタイプをよく把握したうえで、同タイプの馬を狙うのが基本となる。
 馬のパフォーマンス値が、レースの勝利基準パフォーマンス値に足りているかどうかも、目安として見ることができる。

勝つ秘訣は、今回のレースで強い馬を狙うこと

 「各出走馬の能力は大差ない」という表現は、「能力が発揮できるかどうかはレースに対する適性に左右される」と言い換えたほうがわかりやすいかもしれない。「レース適性が多少の能力差を凌駕する」ともいえる。
 人気薄で勝った馬をフロック視したような解説を目にすることがあるだろう。しかし、それは「理由がわからない」と書いてあるようにしか読めない。
 競馬は、「強い馬が勝つ」のではなく、「勝った馬が強い」のだ。もっと丁寧にいえば、「勝った馬が今回のレースで強かった」のであり、「今回のレースで強い馬が勝つ」は正しい表現だといえる。

 その真意は、まさにこの発想の転換にこそ、人気のギャップを読み解く鍵が存在していることにある。
 各馬は、「人気のレース適性馬」、「人気のレース不適性馬」、「人気薄のレース適性馬」、「人気薄のレース不適性馬」の4つに大別でき、当然、積極的に買うべきなのは「人気薄のレース適性馬」であり、押さえるべきなのが「人気のレース適性馬」ということになる。
 これを完全にマスターすれば、「前走レース適性勝利の今回レース不適性馬」をバッサリと消し、「前走レース不適性惨敗の今回レース適性馬」を迷いなく買い増すことができるようになる。
 要するに、根拠、自信を持って人気馬を消し、迷い、躊躇なく穴馬を買うことができるのが、「パフォーマンス偏差値」の超絶馬券術たる所以なのだ。


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