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ラップギアとは

〜 岡村信将著『ラップギア』より一部抜粋 〜
ラップタイムの基礎知識

 日本競馬におけるラップタイムとは、「レ−スの走破タイムを1ハロン(200m)ごとに区切った数字」であり、秒単位、小数点第1位まで示される。

例)12秒6−10秒6−11秒2−12秒0−11秒6−11秒5−11秒3−11秒9

 左から1ハロン通過、2ハロン通過……となっており、ハロンごとのタイムを合計すると走破タイムになる。
 ここで扱う「ラップタイム」とは、「レ−スラップ」のことである。「レ−スラップ」とは、そのレ−スで先頭の馬が刻んだラップのことであり、特定の馬に対するものではない。よく、レ−スラップを優勝馬のラップと混同する人もいるが、これは誤りなので注意してほしい。
「各馬のラップはどこで調べるのか」という質問はよくいただくが、出走馬の個別ラップタイムは、執筆時点ではどこからも提供されていない。

ラップギアの基本コンセプト

 まず「ラップギア」では、全体時計は一切無視して、ラスト4ハロンのラップタイムしか扱わない。さらにそのラップタイムも、タイムの数値そのものはまったく問わない。たとえば「ラスト1ハロン12秒を切ったから強い」などといった考え方はしない。
「ラップギア」が注目するのは、ラスト4ハロンのラップ区間における、爛薀奪廚料減瓠
 たとえば、ラスト4ハロンが「12秒5−11秒7−11秒4−12秒3」というラップだった場合、ラスト3ハロン目は4ハロン目に比べて、「12秒5−11秒7=0秒8」速くなっている。次にラスト2ハロン目は3ハロン目に比べて、「0秒3」速くなっている。そしてラスト1ハロン目は2ハロン目に比べて、「0秒9」遅くなっている。このラスト3ハロンのラップ増減を調べることを、「ラップギア分析」と呼ぶ。
 加速を「▼」、減速を「△」と表示し、コンマ1秒を「1」と数える(これを「ラップギア表記」と呼ぶ)と、このラップのラスト3ハロンの増減は、「▼8▼3△9」と、たった6つの記号で表すことができる。なお、「12秒3−12秒3」のように、加速も減速もしていない箇所は、「±0」と表記する。

 続いては、レ−スの分類。「ラップギア」では、レ−スのラップパタ−ンは大きく「瞬発戦」「平坦戦」「消耗戦」の3パタ−ンにわけることができる。
 まず、ラスト3ハロンのラップ増減の中で、ラップが0秒5以上速くなった箇所(▼5以上)がひとつでもあれば、それは「瞬発戦」に分類される。

例・瞬発戦  「▼7▼5△4」 「△3▼8△6」 「▼14△5△2」 「▼7▼3▼2」

 反対に、ラップが速くなったところがひとつもなければ、それは「消耗戦」に分類される。なお、加速も減速もしていない「±0」は、「ラップギア」では「減速」に分類される。

例・消耗戦  「△3△5△8」 「△5△9△13」 「△2±0△6」 「±0±0±0」

「瞬発戦」「消耗戦」どちらでもないレ−スは「平坦戦」に分類される。具体的には、加速した箇所はあるのだが、それが「▼5未満」であるレ−スを指す。

例・平坦戦  「▼4▼2△7」 「△3▼1△5」 「▼2△7△11」 「▼2▼2▼1」

 では、ウオッカが勝った07年ダ−ビ−を爛薀奪廛ア分析瓩靴討澆茲Αまず07年日本ダ−ビ−のラスト4ハロンのラップタイムを調べて、ラスト3ハロンの増減を出し、ラップギア表記で表すと……、

【07年日本ダ−ビ− ラスト4ハロン・ラップタイム】
12秒2   −   11秒4   −   11秒4   −   11秒6
  マイナス0秒8     プラスマイナス0   プラス0秒2
    ▼8          ±0         △2


 07年ダ−ビ−のラップギア分析は「▼8±0△2」と表記され、その中に「▼8」と「▼5以上」加速した箇所があるので、同レ−スは「瞬発戦」だった、と分類することができる。

「ラップギア」は、このようにしてひとつひとつのレ−スをラップ分析し、JRAの各コ−スや競走馬が、どういったラップ適性を持つのかを調べていく。そして、たとえば「瞬発戦」になりやすいコ−スでは、「瞬発戦」に強い馬を、「消耗戦」になりやすいコ−スでは、「消耗戦」に強い馬を、それぞれ狙い撃つ、というわけだ。このように、「ラップギア」は非常にシンプルでわかりやすい馬券作戦なのである。
 ちなみに、先ほどのダ−ビ−を例にとると、ダ−ビ−が行なわれる東京・芝2400mは、「瞬発戦」になりやすいコ−ス。そしてそこを優勝したウオッカは、それまでに「瞬発戦」となったレ−スで4勝2着1回という好成績を残していた(というか、出走全レ−ス瞬発戦だったのだが)。瞬発戦になりやすいコ−ス(=東京・芝2400m)で、瞬発戦に強い馬(=ウオッカ)が、瞬発戦決着(=「▼8±0△2」)で勝ったという、ラップギア的には非常に理にかなった結果となったのだ。


瞬発戦──ラスト3ハロンで「▼5以上」速くなった箇所がひとつでも含まれるレ−ス
平坦戦──ラスト3ハロンで「▼5以上」に速くなった箇所はないが「▼1〜▼4」の範囲で速くなった箇所がひとつでも含まれるレ−ス
消耗戦──ラスト3ハロンで速くなった箇所「▼」がひとつも含まれないレ−ス

 以上が「ラップギア」におけるレ−スの3分類。中央競馬で行なわれている平地競走はすべて、この3パタ−ンに分類が可能である。

「コ−スの適性値」の見方

 一定の集計期間、あるコ−スで行なわれた全レ−スの「ラップギア分析」を行ない、それらひとつひとつを3つのラップパタ−ンに分類していく。そうやってデ−タを蓄積すると、そのコ−スが持つ固有の狹性瓩浮かび上がってくるのだ。
 東京芝1800mの場合、瞬発戦となったレ−スの比率は86・0%なので、これを四捨五入して「約9割」に。同様に、平坦戦は13・2%なので、こちらも四捨五入して「約1割」にする。また、消耗戦となったケ−スはわずか0・8%しかないため、ヘンな日本語になってしまうが「約0割」となる。
 この10分割の比率の数値を「瞬発戦」「平坦戦」「消耗戦」の順で並べると、「瞬9平1消0」。この「瞬9平1消0」が、東京・芝1800mコ−スの「ラップギア適性値」となるのだ。10分割なのだから、どのコ−スの「ラップギア適性値」も3つの数字を合計すると「10」になる。

 ここで、ぜひ比較してもらいたい2つのコ−スがある。阪神の芝1600mと、芝1400mだ。

 阪神競馬場   芝1600m   「瞬8平2消0」
 阪神競馬場   芝1400m   「瞬1平7消2」

 このふたつは同じ競馬場の芝コ−スで、距離もわずか200mしか違わない。にもかかわらず、芝1600mは「瞬8平2消0」という典型的な瞬発コ−スであり、芝1400mは「瞬1平7消2」という適性値を持つ、平坦コ−スの代表格となっている。
 たったの200mで、コ−スの狹性瓩砲覆爾海海泙蚤腓な違いが出るのか。それは、コ−スの外回り(芝1600m)と内回り(芝1400m)で、直線の長さが劇的に変わってくるからだ。阪神競馬場の内回りAコ−スは、ゴ−ル前の直線距離が356・5m。それに対して、外回りのAコ−スは直線距離473・6mと、そこには120m近い大差がある。
 最後の直線が長い阪神芝コ−スといえども、内回りコ−スの直線は350m程度。よって、3コ−ナ−から4コ−ナ−にかけての区間で動き出さなければ、短い直線だけでは先に行った馬をつかまえられない可能性が高い。つまり、勝つためには最後の直線に入る「前」から、加速を開始する必要がある。
 くわえて騎手には「脚を余して負けるのだけは避けたい」という心理がある。その馬の持つポテンシャルを発揮できずに終わったとなれば、たとえ展開が向かなかったレ−スであっても、鞍上の責任を追及されかねないからだ。
 そういった騎手心理が強く働き、内回りの阪神芝1400mでは、騎手が仕掛ける狆”蕕匹海蹲瓩外回りの場合よりも数段早くなる。そこで3コ−ナ−から4コ−ナ−にかけて動き出すことになるのだが、コ−ナ−では馬は加速しづらいので、仕掛けても瞬発戦判定となる「▼5」以上になることはなく、だいたい「▼4〜▼1」の加速にとどまる──つまり「平坦戦」になるのである。
 逆に外回りの芝1600mでは、最後の直線に入ってからでも十分に巻き返しが可能。他馬に先んじて動いたのでは、最後の最後で差されてしまう可能性がある。
 すると今度は「スピ−ドの乗りづらいコ−ナ−であえて仕掛ける必要はない、トップスピ−ドまで一気にギアを上げやすい直線に入ってから勝負しよう」という騎手心理が働いてくる。その結果、全馬が追い出しをギリギリまで我慢する展開となり、自然と狆”蕕匹海蹲瓩眞戮なる。
 レ−スがこのような流れとなれば、最後にモノをいうのは高いレベルの「瞬発力」。ソコソコの末脚を持続できたとしても、勝負どころで一気にギアを上げられるような瞬発力の持ち主にはかなわない。かくして、阪神・芝1600mでは、「▼5以上」の加速が見られる「瞬発戦」となるケ−スが、圧倒的に多くなるのである。
 このように、距離にすればたった200mの違いでしかなくても、勝負どころや騎手心理はまったく異なってくる。そしてその結果、そのコ−スで勝つために求められる適性も、まったくの別物となってしまうのだ。

もうひとつの武器「瞬発指数」

 『ラップギア』では、ラップタイムから馬の狹性瓩鯊る手法を可能な限り簡略化して説明している。
 しかし競馬は適性だけで決まるものではない。もうひとつ大きなファクタ−として競走馬自体の倏塾廊瓩あげられるだろう。ここで注意してもらいたいのは、馬の適性と能力はほぼ別物ということ。したがってひとつのラップタイム理論で両方を考える必要はない。また、取得元のデ−タ(ここではラップタイム)は同じであっても、それを能力予想と適性予想とに完全にわけて考えることに何の不都合もない。
 そういったことを踏まえたうえで、実はラップタイムから倏塾廊瓩鯊る手法も、自分としてはある程度のものを確立している。
 現状では、出走馬の中で指数最高値の馬は単勝的中率25%前後、回収率105%程度の成績をキ−プ。能力予想である「瞬発指数」に、適性予想である「ラップギア」を加えて、的中率25%前後、回収率130%程度を目指す、というのが基本的な予想スタイルである。

 07年クラシックを例にあげよう。この「瞬発指数」は、チュ−リップ賞前の時点で断然人気のウオッカとダイワスカ−レットは同等の性能を有していると断言し、この2頭は皐月賞に出ても勝てるレベルと評価。一方、牡馬勢は皐月賞前に早々と低レベル宣言。なかでもフサイチホウオ−はラジオNIKKEI杯も共同通信杯も指数が上がらず、皐月賞、ダ−ビ−ともに指数上位には入らなかった。結局、桜花賞はダイワスカ−レット、皐月賞はヴィクトリ−が本命になった。
 この「瞬発指数」は計算がひじょうに複雑で、ここで詳しい算出方法は説明できないのだが、大まかな考え方だけでも示しておこう。
「瞬発指数」とは、その名のとおり「瞬発力」を馬の能力と考える指数である。「瞬発力」は瞬間的に発揮する能力であり、走破タイムや上がりタイムでは測定できないもの。このあたりは「ラップギア」に通ずるところがあり、ラップタイムの増減を基準として一定の数値に置き換える形式となっている。
 ただし、それは「ラップギア」ほど簡略化されたものではない。「ラップギア」はすべての要素をラスト3ハロンに集約したが、「瞬発指数」はラスト3ハロンに加え、さらにその前、つまり序盤から中盤のラップタイムも考慮しているのだ。適性を把握するのであればラスト3ハロンだけで十分だが、能力比較を行なううえではラスト3ハロンだけの分析では足りないのだ。
 考え方としては、「瞬発戦」と「消耗戦」を対極に位置するものととらえ、前半の流れに比して、最後にどれだけの瞬発力を見せたかを分析している。前半が厳しい流れだったとしても最後大バテしていてはハイレベルなレ−スとはいえないし、ゆるい流れで最後に瞬発力を発揮したとしても、その価値は低い。たとえるなら前者は短距離戦でよく見られるラップタイムであり、後者は芝中距離の新馬戦でありがちなラップだ。
 わかりやすくいえば、「瞬発指数」は、「ゆるまない流れで発揮される瞬発力」を評価するのだ。
 例をあげると、これまで「瞬発指数」が極めて高い評価を与えたG汽譟櫂垢麓,裡汽譟櫂后どれも中盤がまったくゆるまず、しかも勝負どころでは(そのコ−スで)究極レベルに近い瞬発力を発揮しているのが見てとれると思う。こうして並べてみると、それがラストレ−スとなったクロフネは別として、ディ−プインパクト、キングカメハメハ、アグネスデジタルは、該当レ−スのあとにも再びG気鮠,辰討い襦それは自分でも驚いた。

●00年マイルCS アグネスデジタル
全体ラップ 12秒1−10秒6−11秒3−11秒3−11秒6−11秒8−12秒2−11秒7
ラスト3ハロン増減 △2 △4 ▼5

●01年ジャパンカップダ−ト クロフネ
全体ラップ 7秒4−11秒1−11秒8−12秒2−12秒2−11秒8−11秒9−11秒7−11秒5−12秒0−12秒3
ラスト3ハロン増減 ▼2 △5 △3

●04年NHKマイルカップ キングカメハメハ
全体ラップ 12秒1−10秒7−11秒1−11秒7−12秒2−11秒6−11秒7−11秒4
ラスト3ハロン増減 ▼6 △1 ▼3

●05年皐月賞 ディ−プインパクト
全体ラップ 12秒1−11秒0−11秒9−12秒2−12秒4−12秒6−12秒5−11秒8−11秒4−11秒3
ラスト3ハロン増減 ▼7 ▼4 ▼1

●05年ダ−ビ− ディ−プインパクト
全体ラップ 12秒5−10秒9−12秒1−12秒1−12秒3−12秒3−12秒3−12秒1−12秒2−11秒9−11秒0−11秒6
ラスト3ハロン増減 ▼3 ▼9 △6

 ちなみに、これは「ラップギア」と共通する考え方だが、瞬発力を発揮したあとにどれだけ減速したかを気にする必要はない。勝負どころにいたるまでのプロセスと、そこで発揮された瞬間的な力、もしくは勝負どころ1ハロンでどれだけバテずに耐えられるか。馬の倏塾廊瓩箸呂修ΔいΔ發里任呂覆いと私は考えている。



今週のラップギア出馬表