最強マイラー。
そんな呼び名が一般的になったのはいつ頃であろうか?
サクラシンゲキやニチドウアラシが活躍していた当時、マイルの大レースは3歳牝馬限定の桜花賞くらいしかなく、彼らに勲章を手にする機会は与えられていなかった。マイラーが脚光を浴びる大レースが創設されたのは1980年代半ばことで、距離体系の整備やそれに伴うグレード制導入以降のことである。安田記念がGIになり、マイルチャンピオンシップが新設されたのが、その手始めであった。
そんな時代の動きを待っていたかのように登場した名馬がいた。ニホンピロウイナーにほかならない。新設されたマイルチャンピオンシップ(連覇)、安田記念をはじめ、短距離の重賞レースを根こそぎ持っていったのである。昭和の時代、「最強マイラー」といえばニホンピロウイナーの代名詞のようなものだった。
時は流れ、最強マイラーの称号は別の馬の手に渡った。
タイキシャトル。
現在、最強マイラーといえば、この馬のことを指すのが一般的であるらしい。
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