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キングカメハメハ 名手が言った“誰が乗っても勝てる馬
Contents
歴史的名馬
静かな鼓動
クラシック候補の一角
価値ある敗北
別馬
NHKマイルカップ圧勝
誰が乗っても勝てる馬
またもや圧勝
早すぎる引退
Chapter 9
早すぎる引退
 ダービーの後休養に入ったキングカメハメハは、復帰戦の神戸新聞杯に快勝した。ところが、出走を表明していた天皇賞(秋)の2週間前、屈腱炎を発症して引退に追い込まれてしまう。NHKマイルカップ、ダービーの変則2冠制覇から、2004年度の最優秀3歳牡馬に選出されたが、偉業を讃える以上に早すぎる引退を惜しむ声のほうが多かった。
平成16年9月26日「神戸新聞杯」(阪神芝2000)
平成16年9月26日「神戸新聞杯」(阪神芝2000)
本番を控えたセーブした仕上げでもポテンシャルが違う。鞍上にも後ろを振り返る余裕があった。
平成16年9月26日「神戸新聞杯」(阪神芝2000)
平成16年9月26日「神戸新聞杯」(阪神芝2000)
天皇賞(秋)に向けて好発進。古馬との対決が心待ちにされていたのだが……
 ちょうど半年くらい前だろうか、安藤勝己とキングカメハメハについて話す機会があった。その際、彼が発した言葉は、「誰が乗っても勝てる馬」という、昔と変わらぬ表現であった。そして、
「実際そのとおりなんですよね。だって、あのダービーはベストの騎乗とはいえないはずでしょう? “普通に強い馬”であれば、後ろから来たハーツクライに飲み込まれていたところですからね。どう乗っても、誰が乗っても勝てるほどの馬だったんですよ」
 と続けた。
 1歳下のディープインパクトとの対決、海外での勇姿。
 安藤勝己は、ふとそれを想像してしまうことがあるという。(文中敬称略)
平成16年9月26日「神戸新聞杯」(阪神芝2000)
平成16年9月26日「神戸新聞杯」(阪神芝2000)
まさか、この戦いが最後のレースになってしまうとは……この時点では知る由も無かった。