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キングカメハメハ 名手が言った“誰が乗っても勝てる馬
Contents
歴史的名馬
静かな鼓動
クラシック候補の一角
価値ある敗北
別馬
NHKマイルカップ圧勝
誰が乗っても勝てる馬
またもや圧勝
早すぎる引退
Chapter 6
NHKマイルカップ圧勝
 毎日杯を制した時点で、松田国英調教師は、皐月賞を素通りしてNHKマイルカップに向かうことを表明した。毎日杯→NHKマイルカップというローテーションは、松田国調教師が管理していたクロフネと同じパターンである。なお、皐月賞を見送った背景には、京成杯に敗れたことで、「中山は不向き」という判断があったらしい。
 同厩の先輩クロフネと同様、キングカメハメハは1番人気に推されていた。ただし、圧倒的な支持というわけではなく、単勝は3・6倍というもので、2番人気のシーキングザダイヤ(3・7倍)をかろうじて上回った程度でしかない。今考えると意外な気もするが、シーキングザダイヤは未勝利から重賞2勝(アーリントンカップ、ニュージーランドトロフィー)を含めて4連勝していた馬だし、ほかにもコスモサンビーム、メイショウボーラー、タイキバカラといった面白そうなメンツもいたのである。また、マイル戦が初体験という、キングカメハメハ自身に対する不安も一部で囁かれていた。それらの要因が重なりあったため、いわゆる「一本かぶり」にはならなかったのだろう。それでも、松田国調教師は、
「クロフネと同じローテーションですし、胸を張ってダービーに向かうためにも負けられないレースです」
 と、かなり強気な発言をしていたのである。
平成16年5月9日「NHKマイルカップ」(東京芝1600)
平成16年5月9日「NHKマイルカップ」(東京芝1600)
鞍上のゴーサインを受け取ると、搭載エンジンがちがうとばかりに伸びてゆく。
 そんな松田国師の思いに応えるかのように、キングカメハメハはとてつもない走りを見せた。
 ゲートが開いてポンと飛び出したのは、スピード自慢のメイショウボーラーであった。しかし、先行争いは熾烈で、ここまで無敗のタイキバカラが気合をつけてハナを奪う。2番手にはハートランドカフェが押し上げ、メイショウボーラーは3番手に控えた。朝日杯の覇者コスモサンビームはほぼ中団、キングカメハメハはコスモの外目を併走するような感じで追走している。前半のハロンラップは33秒9、45秒6、57秒8と、かなりのハイペース。先行馬には厳しい展開といわねばならない。
 4コーナーを回って直線に入っても、タイキバカラは先頭で頑張っていた。そこに、一度ヨレながらも体勢を立て直したメイショウボーラーが迫り、馬場の真ん中からはコスモサンビームが伸びてくる。
 普通ならこの3頭の争いになるところなのだろうが、ほかに一頭だけ別次元の競馬をした馬がいた。キングカメハメハにほかならない。
 4コーナーで大外に持ち出したキングカメハメハは、鞍上・安藤勝己のゴーサインに鋭く反応すると、大外一気の豪脚であっという間に突き抜けてしまったのである。2着コスモサンビームにつけた着差は実に5馬身。勝ち時計の1分32秒5はNHKマイルカップのレース・レコードである。文句ナシの競馬であった。
平成16年5月9日「NHKマイルカップ」(東京芝1600)
平成16年5月9日「NHKマイルカップ」(東京芝1600)
懸念された春の1600メートルもなんのその。終わってみてば後続を5馬身も引き離す圧勝だった。
平成16年5月9日「NHKマイルカップ」(東京芝1600)
平成16年5月9日「NHKマイルカップ」(東京芝1600)
GIタイトル獲得は初めてのことだったが、すでに「頂点」に立っている貫禄を漂わせている。