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キングカメハメハ 名手が言った“誰が乗っても勝てる馬
Contents
歴史的名馬
静かな鼓動
クラシック候補の一角
価値ある敗北
別馬
NHKマイルカップ圧勝
誰が乗っても勝てる馬
またもや圧勝
早すぎる引退
Chapter 5
別馬
 キングカメハメハが眠っていた力を見せ始めたのは、京成杯の次走、オープン特別のすみれステークスからであった。楽な相手、しかも7頭立てで紛れの少ない競馬とはいえ、その内容は圧巻だったといわねばならない。
モタモタして流れに乗れなかった京成杯とは対照的なレースであった。サッと好位につけ先行馬を自力で潰して先頭に立って千切り、後ろから追い上げてくる馬をも完全に封じ込めるという、強い馬だけに許された横綱相撲を見せたのである。
このとき、新馬戦以来のコンビとなった安藤勝己は、その変身振りに目を見張った。
「すべてが変わっていたんですよね。デビュー当時より10キロも体重が減っていたにもかかわらず、なぜか“雄大”に見えるようになっていました。パワーとスピードが段違いになっていたので、アクションが大きくなっていたんです。それで体が大きく見えたのでしょう。調教の具合からして、新馬戦の頃とは比較にならないほどの動きになっていましたからね。ですが、一番変わったのは“気持ち”だった気がします。前向きになっていましたし、精神面が強くなっていたんです」
平成16年2月29日	「すみれS」(阪神芝2200)
平成16年2月29日 「すみれS」(阪神芝2200)
京成杯とはまるで別馬。これが「覚醒」したキングカメハメハだ。
平成16年3月27日「毎日杯(GIII)」(阪神芝2000)
平成16年3月27日「毎日杯(GIII)」(阪神芝2000)
すみれステークスに続いてまたもや圧勝。目覚めたカメハメハ大王を止める馬はもういない。
 そんなキングカメハメハの変貌振りを、安藤勝己は「実戦の中で体の芯が強くなり、経験を積むことによってレースを覚え、走る気が出てきたのではないか」と考えているようだ。アンカツは「覚醒」した手応えを肌で感じ取っていたのである。
 次走の毎日杯も圧巻であった。
京成杯でキングカメハメハに先着したマイネルマクロス(2着)が逃げ、2歳時に2000メートルの特別戦を2分0秒7という素晴らしいタイムで制したシェルゲーム(1番人気)が2番手につける中、代打・福永祐一を背にしたキングカメハメハはシェルゲームを見るような形で3番手を追走していた。ペースは平均よりやや遅いといった程度である。前にいる馬が圧倒的に有利な流れであった。
 確かに前残りの競馬であった。だが、そんな展開上の利など関係ナシに、キングカメハメハは恐るべき力を見せ付けることになる。早めに仕掛けて前の2頭を抜き去り、その後はあっさり突き放して先頭でゴールしたのだ。上がり3ハロンの34秒5は言うまでもなく出走馬中ナンバーワンで、2着シェルゲームには2馬身半の差をつけていた。このあたりからのキングカメハメハは、京成杯までとは別馬といわねばならない。
平成16年3月27日「毎日杯(GIII)」(阪神芝2000)
平成16年3月27日「毎日杯(GIII)」(阪神芝2000)
まるで「勝って当然」といわんばかりの自信に満ち溢れた走りだった。
平成16年3月27日「毎日杯(GIII)」(阪神芝2000)
平成16年3月27日「毎日杯(GIII)」(阪神芝2000)
代打で騎乗した福永祐一も「ずっと乗り続けたい」と思っていたことだろう。