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キングカメハメハ 名手が言った“誰が乗っても勝てる馬”
Contents
歴史的名馬
静かな鼓動
クラシック候補の一角
価値ある敗北
別馬
NHKマイルカップ圧勝
誰が乗っても勝てる馬
またもや圧勝
早すぎる引退
Chapter 1
歴史的名馬
 とりあえず過去10年くらいを振り返ってみたとき、歴史的名馬といえるような馬はどれくらい出現しているのだろうか? かのディープインパクトをはじめとして、スペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダー、テイエムオペラオー、アグネスタキオン、クロフネ、シンボリクリスエスといったあたりが妥当なところであろう。
 今回の主役キングカメハメハも、「歴史的名馬」の一頭と呼ぶにふさわしい馬といっていい。この馬の相棒、安藤勝己も
「ボクがこれまで乗ったなかで、最強の一頭といっていいでしょう。仮に故障することなく走り続け、古馬になって完成したときあれば、ディープインパクトを倒すことも可能だったかもしれません。もちろん、海外でも活躍できたはずの馬です」
 と、極めて高く評価している。
 キングカメハメハという馬名を聞いた当初、「語感が悪いな」と感じたことを覚えている。もっとも、馬主の金子真人にとっては「とっておきの名前」だったようで、期待度の高さもハンパではなかったらしい。のちに、所有した牝馬にキングカメハメハと対になる「クイーンカアフマヌ」という名前をつけた事実からも、相当な思い入れがあったことが想像できよう(注 変わった名前と感じるのはあくまで感性の問題であって、意味や由来とは無関係)。ちなみに金子の所有馬には、古馬にマヒオレ、2歳馬にトパンガなどがおり、ハワイに思い入れがあるのかもしれない。
不思議なもので、当初は「おかしな名前」と感じていたものが、走るにつれて耳に馴染んできて、その馬にとってふさわしい名前のように思えてきたりする。
ずいぶん昔の話になるが、初めてホウヨウボーイの名前を耳にしたときは「トウショウボーイのバッタもんか?」と思ったものだし、シンボリルドルフのときも滑舌が悪くてうんざりした記憶がある。ところが、いざ走り出すと、似つかわしいネーミングに思えてくるから不思議なものだ。キングカメハメハにしても、重賞戦線で活躍し始めたころには、すっかり定着していたように思える。
名前にまつわる話はさておき、馬そのものの出自には、評判馬たるにふさわしい背景があったというべきであろう。母マンファスは、2000年にノーザンファームがイギリスから輸入した期待の繁殖牝馬であった。自身は未勝利馬に終わったが、近親にはミラノ大賞典の勝ち馬でジャパンカップにも出走したアルワウーシュがいる。また、マンファスが英国に残した産駒の中からは、アメリカのサンタアニタ・ダービーを制したザデピュティが出ているという良血なのだ。キングカメハメハが活躍する以前にサンデーサイレンスと交配された点(その産駒はフローラステークス2着のレースパイロット)からいっても、繁殖としての期待度の高さが伺えよう。
輸入されたときのマンファスはキングマンボの種を宿していた。翌2001年、マンファスは鹿毛の牡馬を産み落とすことになるのだが、その馬こそがキングカメハメハにほかならない。